高気密高断熱住宅について

高気密高断熱住宅について

外皮性能基準/一次エネルギー消費量基準/気密性能
 数値にして見える化しましょう!

断熱等性能等級について

断熱の仕様は、工務店様やお施主様によって様々です。
天井断熱か、屋根断熱か・・・
充填断熱か、外張り断熱か・・・
基礎断熱か、床断熱か・・・
断熱材は何を採用するか・・・
建具の断熱性能や日射熱取得率の性能は・・・等々

 

評価の指標となる『外皮平均熱貫流率(W/㎡K)』【Ua値】は、建物内部の熱量が、床・外壁・屋根・天井・開口部を通過し損失した熱量を、建物全体の外皮面積で除した値です。
つまり数値が低いほど高断熱になります。

 

また、『冷房期の平均日射取得率(ηAC)』は、冷房期に、建物にどのくらいの日射熱が入るかを表す数値です。これも省エネルギー基準の外皮性能を表す指標です。数値が大きいほど日射熱が建物内に入ることを表します。地域区分毎の設定値より小さい値を求められます。

 

省エネ基準として、2025年10月からは、この断熱等性能等級4が全ての新築建物について義務化されます。
2022年に新設された断熱等性能等級7が、現在の最高位です。

 

ちなみに滋賀県は、地域区分6(近江八幡市・草津市・守山市)と地域区分5(6以外の地域)に区分けされています。
区分6地域の省エネルギー外皮性能基準は、『Ua値=0.87W/㎡K』  『冷房の平均日射熱取得率ηAC=2.8』
区分5地域の省エネルギー外皮性能基準は、『Ua値=0.87W/㎡K』  『冷房の平均日射熱取得率ηAC=3.0』
これが基準値ですので、より良い性能[上位等級]が求められています。


一次エネルギー消費量等級について

『一次エネルギー消費量(GJ)』は、設備機器(冷暖房・換気・給湯・照明等)のエネルギー消費量です。実際に建てる建物で直接的に使用するエネルギーの消費量を計算したものが『設計一次エネルギー消費量』となります。
この『設計一次エネルギー消費量』を、地域や建物用途、室使用条件などにより定められている『基準一次エネルギー消費量』で除した値を【BEI(Building Energy Index)】で表します。つまり BEI≦1.0 の水準が一次エネルギー消費量基準に適合となります。
この BEI≦1.0 が一次エネルギー消費等級4であり、 建築物省エネ法における現行の省エネ基準相当です。
BEI≦0.9 は一次エネルギー消費等級5になり、低炭素認定住宅等の誘導基準で、現行の省エネ基準よりも▲10%の基準です。

 

また【ZEH】(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)はエネルギー収支がゼロ以下の家を指します。つまり、再生可能エネルギーを加えた削減率で判定します。
現行の省エネ基準よりも▲20%(再生可能エネルギーを除いた場合)の基準です。

 

滋賀県の場合、積雪量100㎝以上の地域は、『ZEHoriented』の基準が適用されますので、再生可能エネルギーは無くても【ZEH基準】適合は可能ですが、積雪量100㎝未満の地域で【ZEH基準】に適合させるには、何らかの創エネルギーが必要になります。

 

『ZEHoriented』は、都市部対応型の【ZEH】(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)です。
立地や面積の問題で太陽光発電が十分にできない場合に対応する基準です。
つまり、太陽光取得に不利な条件がある地域を考慮しています。
都市型ですが、寒冷地、低日射地域、多雪地域にも適用されますので、滋賀県の100㎝以上地域が多雪地域に該当します。


気密について

気密工事

気密工事は、工務店様の細やかな視点・技術と手間がなくては実現できません。
断熱材の空隙箇所が無いことは、勿論、気密テープ、気密シートや気流止めの施工、気密コンセントボックスなど気密部材も多岐にわたります。
その気密施工は、お施主様に丁寧で精密な工事を保証するもので、何よりも安心をお届けすることになるはずです。

 

また、工務店様に、気密施工の技術サポートもさせていただきます。
お気軽にお問いあわせください。

 

C値について

C値とは、住宅における相当隙間面積のことです。建物全体にある隙間面積(cm²)を延床面積(m²)で割った数値で、建物の気密性能の指標として用いられています。C値の測定は、実際に建てられた建物内で、専門の気密測定試験機を使って行います。数値が小さいほど優れた気密性をもつ建物といえます。
現在、高気密を定義する基準値はありません。一般的に高気密住宅を謳うハウスメーカー様は【1.0㎠/㎡】以下を目安にされています。


省エネルギー性能上位等級について

国による省エネ基準は、現在、断熱等性能等級は、等級4を基準として2022年には等級7まで創設されています。
また、一次エネルギー消費量等級は、等級4を基準として等級6まで創設されています。
上位等級への誘導が図られていますが、民間団体や地方自治体独自では、もっと厳しい高性能の基準を設けています

 

HEAT20は、2009年に住宅業界の関係者や研究者などによって発足した団体「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」のことをいいます。英語名で「Investigation committee of Hyper Enhanced insulation and Advanced Technique for 2020 houses」といい、頭文字を取ってHEAT20と呼ばれています。

 

HEAT20はG1・G2・G3のグレードに区別されており、それぞれに断熱基準が設けられています。
各地域において冬の期間の体感温度を10℃~15℃以上に保ち、暖房機器によって利用されるエネルギー量を削減し、ZEH(ゼロエネルギー住宅)などの優れた省エネ住宅を目指す推奨基準です。Ua値だけを現行のZEH基準と比較してもより高い性能値が設定されています。

 

また、鳥取県が策定した「とっとり健康省エネ住宅 NE-ST」は、、戸建住宅を新築する際の省エネ住宅基準です。この基準は、国が設定しているZEHを上回るもので、断熱性能と気密性能について3段階のグレード「T-G1」「T-G2」「T-G3」を定めています。

 

国の基準は、義務化されるとは言え、必要最小限であり、今後ますます高い断熱性能が求められているのではないでしょうか?